私はかわはぎという魚はどうしても好きになれない。
というのもカワハギの顔がどうしても苦手だからだ。
学生時代にとてもカワハギによく似た先生がいたのだ。
この先生は本当に嫌な人で、いやみったらしく、裏表しかない人だった。
裏の顔と表の顔がこうも違うというのは、むしろ潔いのではないかと思うくらいだった。
ここまで裏表があると、だんだん裏の顔なのか表の顔なのか考えるのも馬鹿らしくなって、むしろ表の顔も裏の顔もなくて本当の表の顔は誰にも見せていないのではないかと思うようになった。
結局その先生の本性はわからなかったのだが、今になっておもえば先生の本性は裏表があるところだったのかもしれない。
今となってはどうでも良いが。
そんなこともあって、結局カワハギが大嫌いだし、カワハギをさばく時に皮を剥ぐ瞬間にその先生の裏の部分を知ってしまうような、なんともいえない気持ち悪い感覚になる。
今頃どうしているのか気にならないが、カワハギを見るたびに思い出させるというのは迷惑このうえない。